受益者の地位と贈与税
ここでは家族信託(民事信託)における受益者にまつわる贈与税についてご説明いたします。
信託契約により受益者となったものは、信託行為によって発生する信託財産に関する収益を受け取ることができます。
贈与税については、委託者と受益者が同一人物であった場合には、実質的に”信託財産がもたらす利益の帰属先が変わらない”とされるため、贈与税は発生しません。
委託者と受益者が別の場合は、実質的に”委託者から財産(信託財産)から生じる利益を譲渡されたもの”とみなされますので、信託設定時に受益者へ贈与税が課されることとなります。これをみなし贈与といいます。
また、家族信託において贈与税が発生するのは、信託設定時だけではありません。受益者が他の者へ受益権を無償で譲渡すれば、新しい受益者には贈与税が課税されることとなります。
尚、障害者に贈与した場合は、最大6,000万円まで贈与税が非課税枠になります。
そのため家族信託の福祉型信託の場合、委託者と受益者が別の場合でも、信託財産が最大6,000万円までは贈与税がかかることはありません。