信託契約の「始まり方」と「終わり方」
信託契約の開始時期と終了事由
こちらでは、信託契約がどのように始まり、どのように終わるのかをご紹介いたします。
信託の開始
開始時期その1 → 信託契約締結時
開始時期その2 → 遺言効力の発生時(=委託者である遺言者の死亡時)
このように信託が開始され信託の効力が発生したら、信託財産の種類に応じて、信託口座の開設、不動産の名義変更、株式の名義書き換えなどを行います。以上のような準備を整え受託者による信託財産の管理・運用が開始されます。
信託の終了
信託が終了する一番理想的な形は、もちろんその信託の目的を達成したときですが、目的を達成する前に思いがけない事由が発生して信託を終了せざるを得ない場合もあります。信託を組み立てる際は様々なパターンを想定して信託をきちんと活用できる中身にすることが重要となってきます。
目的を達成する以外に信託が終了する事由は、
・信託の目的を達成する事ができなくなったとき
・受託者が受益権の全部を固有財産で有する状態が、一年間継続したとき
・受託者が欠けた場合であって、新受託者が就任しない状態が、一年間継続したとき
・信託が併合されたとき
・信託財産について破産があったとき
など様々あります。これらの事由で信託が終了すると信託財産に対する債務の返済や残余財産を予め定めておいた者等へ帰属させるなど一連の手続きを行います。これを「信託の清算」といいます。